開業するまでの話

癒しを求めて

長年プログラミング、システムエンジニアなどの技術職をしていました。
人生の変わり目、家庭内のことで、気持ちと体はどん底にまで落ちていました。
また当時、父親の病気が難病であることもショックでした。
そんな中、健康、民間療法、ヨガ、東洋医学の本を読んだり調べたりしていました。
当時は癒しブーム全盛で、、早速、アロマテラピーやオイルマッサージを学び、アロマセラピストの資格もとりました。
今思えば、人を癒したいというより、自分が元気になりたい、癒されたいという気持ちだったと思います。

しかし、このような手技療法を仕事とする場合、やはり、国家資格が必要だろうと
受験資格が取得できる長生学園(夜間部)に入学しました。
その当時は、特別指圧には興味がなく、指圧といえば、浪越徳治郎さん?
ぐらいの認識しかありませんでした。

だいぶひさしぶりの学生生活

長生学園では、生理学、解剖学、整形外科などの西洋医学、東洋医学と按摩、マッサージ、指圧の実技と長生学園特有の手技を学びました。

当時の講師の先生方は某大学の医学部の先生であった方など、豊富すぎる人材で、
その授業の内容よりも先生の業界裏話がすごく面白く、過去の学生生活において、勉強がこんなに楽しい!なんてなどと今まで暗かった分、盛り上がっていました。

実技では指圧が、受けていて特に気持ちよく、指圧っていいなと漠然と思っていました。

あん摩の手技が、へたくそすぎて、先生から笑われてしまうほどだった、からかもしれませんが、、。

しかし、楽しい勉強ではあっても、日中の仕事と夜間の学校の生活は超ハードでした。

会社から駅までか、駅から学校までの道のりのどちらかを猛ダッシュしないと学校に遅刻するのです。

学校では3回遅刻すると、1回欠席というルールで、日中の仕事で出席日数が足りず留年する人もいました。(そりゃ、走るしかないでしょ!)

また、そのころ仕事のストレスもあり、パニック障害にもなりました。

最初の発作が起きた時は、本当に息が苦しく、このままでは死んでしまう!と、いう考えから抜け出せなくなり、会社をでて、ビルの周りをふらふらと歩き回りました。
ただただ、苦しくて、でも、倒れることも、死んでしまうこともありませんでした。

ネットで調べて、それがパニック障害だとわかりました。
駅間の長い電車にいるのが怖い、教室で具合が悪くなるんじゃないか、
まして試験の最中発作が起きたらどうしようとかとにかく不安でしょうがなかったです。

同級生たちの懸命の治療により発作の不安がありながらも、国家資格試験の頃までは徐々に改善していきました。

同級生はマッサージの学校なのになぜか、カマヤミニというお灸を持ってきて、
女子更衣室が煙で真っ白になるほど脊柱にそって(膀胱経(自律神経に関係))
これでもか!というほど猛烈にお灸を施してくれたのでした。
背中がゆるんだなと思ったら、気持ちも楽になっていました。

自分が病気になってわかったこと

実際自分が病気になってみると、今までにいた日常の世界から自分だけ別世界にきたような孤独と不安。
そしてなんで私がこんな目に、、、と不幸な気持ちになるのです。

病人はこの状況、この気持ちを切に理解されたいと思い、術者はその気持ちを心底理解し癒したいという熱意が治癒につながるのだと、必死に治療してくれた同級生をみて気づかされました。

修行時代

あっという間の3年間の学生生活を終え優秀賞を受け卒業。
無事にあん摩マッサージ指圧師の免許を取得しました。

若者2人以外、保護者みたいだが皆卒業生(笑)

その後、整形、脳神経外科、接骨院勤務を経験し、急性、慢性、原因不明とされる
患者さんを、特別養護老人ホーム勤務では病気による後遺症、障害のある方、年齢的に弱くなられた方など本当に多くの症状、患者様を診ることができました。

物理的治療の限界

その経験の中から筋肉治療、矯正など肉体的、物理的治療の限界をかんじていました。
人間のからだは、筋肉などの組織だけでできているわけではないのです。

本当の治療とは?タオ療法との出会い

本当の意味での治療を探していた頃、出会った本が「タオ 気のからだを癒す!」(法蔵館)でした。東洋医学を学校では学びましたが、学校で学ぶ東洋医学は国家試験対策であるため、これぞ東洋医学の真髄というものには、触れることすらできませんでした。
ほんとうに一筋の光をみたような何か道がひらけたようなかんじがしました。

それから、タオ療法の講習会に参加し現在も学ばせていただいています。

タオ療法は、気の流れを認識し健康に導く療法です。

ことばにしても、よくわからない世界です。
気の世界を、体験させ、言語化し、あきらめることなく指導してくださっている
先生には本当に感謝しています。

生命に触れる

患者さまが、よく、「その、スジが苦しいのです」とか「どこを押されても、痛みのあるところに響きます」とか、「体ってつながっているんですね」とそれが経絡であり、ツボであるということは、受けられた患者さまが一番わかっているのかもしれません。
そしてもちろん、肉体的にも癒されていきます。

高校生の女の子が施療中に(頸部のツボの響きが強かった)
「命に触れられているみたいで、、怖い」とおっしゃいました。
その後、恥ずかしそうに、「ふふふ」とかわいらしく笑っていました。

経絡は畏敬の念をもって大切に触れなければなりません。

本当に経絡がその方の生命そのものなんだと実感させられることでした。

施療を通して思うこと

私の施療を通して目指すものは、患者さまが心身ともに健康で、
ご自身の望む、すばらしい人生を歩まれることです。

どうか、健康で、幸せに!と切に思うのです。
私がそのほんの一助になれればと願っています。

タイトルとURLをコピーしました